北京五輪の男子シングルが終わった後、エキシビまで多少日にちは空いていましたが、実は、ひとつ密かにハマっていたことがあります。きっかけは、将棋関連の匿名掲示板の以下のやりとりから。
「結果論だけど藤井竜王の場合は高校進学しない方が強くなるのはもっと早かっただろうね 将棋以外の面でプラスもあったかもしれないけど」
「ナベ(*渡辺明名人)も聖学院高校卒業してるし 将棋以外の世界の同世代の友達と付き合うのは良いことだと思う 藤井君の場合は偏差値高い学校だから学友の存在は将来益々役に立つ」
「ナベはおもくそ高校生活楽しんでたからな…」
「ナベは今でも楽しんでる 競馬、野球、サッカー、カーリングと」
「ナベは毎朝スポーツ新聞買って学校で読んでたんだよな 学年違うけど同時期に今講談界のスーパースター神田伯山がいたんだよな」
へぇ?そんなに凄い人なの?と、ネットで検索したら、「ああ、顔は見たことあるかなぁ・・・」という程度でした。ここ数日で、この動画で言及されているような「落語と講談の違い」が分かり、ネットのいろんな動画を物色してみて、いざ、神田伯山さんの講談シリーズを視聴してみました。
畔倉重四郎(あぜくら・じゅうしろう)の2020年1月の通し公演。これが全19本(+1本)の動画として、ご本人の「神田伯山ティービィー」で公開されています。時期としては江戸時代で、大岡越前が登場します。その2つの知識だけで十分に楽しめます。もし、耳で聞いただけではチンプンカンプンな用語が出てきても、「字幕ON」にすることで、それを後で検索すれば意味が分かります。
ただ、何役も演じ分ける伯山さんのセリフ回しを楽しみたくて、結局私は、途中からずっと字幕OFFにしました。
見出したら止まらないです。夜に見始めたら、徹夜になる危険性があるので、くれぐれもお気をつけください。
とにかく、人物描写、風景描写が巧みで、時代劇の一場面が伯山さんの背後にプロジェクターで映し出されているように錯覚します。それでいて「人を斬る」時の効果音なんかは、スマホで見ているのに迫力満点で、生で見ていたら物凄い迫力なんだろうなと。そりゃ、チケット取れないわけだわと。
こういう伝統芸能って、「偉い先生が喋っているのを、一部のマニアが有難がって聞く」といった先入観を持っていたんですけど、声の若さもそうなんですが、彼の場合、「これは今でいうアリバイのことでございます」というような現代的注釈も随所に入れてくれて、十分にエンタメとして面白い。
この畔倉重四郎は、「#06」だけ残酷な描写がキツイですが、そこを乗り越えると後は大丈夫です。とは言え、映像じゃないから、そこまで悪い後味は残らない印象です。コメント欄も、荒らしや叩きのようなものはなく、もちろん喧嘩にもなっておらず、ネタバレ的なものも無い。とても健全な動画で、若い人も、ご高齢の方も楽しめると思います。
では、また明日!
Jun