「第1回」「第2回」から少し空きましたが、以下、印象的だった部分を拾ってみます。
・カバー表紙の写真は、2022年2月20日、北京五輪EXが終わって、リンクから上がった時の表情です。はっきりと感情が出ている写真ではないから、見る人によって見え方が違うと思う(小海途)
・カバー裏も北京五輪EXで、リンクから上がって、氷と語って挨拶しているシーン。(*写真集制作時、21-22シーズンが羽生さんの現役最後かもしれないと考えていたので)競技者としての最後の挨拶の象徴的なシーンになるかもしれないという理由で選んだ(小海途)
・出来上がったカバーを見た時に、ピアノの楽譜のように思った。音楽が聞こえてくるような表紙(小海途)
・表紙の明暗・コントラストは最後まで苦労した所。一歩間違えると、ぜんぜん違う仕上がりになる。モノクロってカラー写真より難しいんですね(小海途)
・(モノクロのコントラストは)年々難しくなってくる。モノクロに対する共通意識が年々無くなっていくから(小島)
・今回の企画を思いついたのは、撮影した僕、構成した長久保さんにまずは目が向きがちですけど、写真集を作るにあたっていろんな方が関わってくださったので、そこに目を向けてもらうために、いろんな話を聞ければいいなと思った(小海途)
・とっても楽しかったです。小海途さんのお話を聞きながら、自分の頭の中を振り返っていくと、「こんなに自覚していないことがあったんだな」ということに気づけました。羽生選手の今後を、より思いを持って見ていける良い機会をいただけた(小島)
今回のお話の中心は黒のカバーについてでした。本書のカバーが公開された時、「正直ちょっと暗すぎない?」とか「外部の人の意見が入ったからなのかな?」とは思っていました。ところが、3回の対談を聴いていくと、そもそもこの写真で行きたいと提案したのは小海途さんで、それは「羽生さんのラストシーズンかもしれない」という制作当時の心境が影響していたようでした。
モノクロの白・黒のコントラストの難しさについて、しかも「モノクロの共通意識が年々無くなっている」という小島さんの意見は、とてもストンと納得できるものです。カラーの世界で生きている我々にとって、あえてレトロ感漂うモノクロを選ぶ理由をちゃんと説明してもらわないと、その真意を理解するのは難しい。
ただ、モノクロ写真をかなり多様していたのは「矢口さんの写真集」の方で、そちらをめくっていて感じたことなんですが、羽生さんの特に演技中・練習中の写真をモノクロで見ると、「色彩」の情報量が少ないことで、演技のパワーやスピード感がよりストレートに伝わってくる感じはします。あとは、リンクインする前や練習中の静寂の一コマなんかも、モノクロは凄く効果的ですね。
他方で、リンク外で笑顔で語らうようなショット等では、モノクロは合わないのかもなと思いますね。今回の矢口本でモノクロ率が高いのは、その辺りも理由にあるのかもしれません。
メタルジョギング・チャレンジは89日目。QUEENの『Jazz』(1978年11月)です。QUEENの7枚目のアルバム。アルバム単体としてはそこまで知名度は高くないのですが、4曲目の「Bicycle Race」や12曲目の「Don’t Stop Me Now」は皆さんも間違いなく耳にしたことがあるヒット曲で、さらに、2曲目の「Fat Bottomed Girls」も「あー、なんか聞いたことあるかも?」という感じで私も記憶にあったので、良メロの宝庫と言えるかもしれません。
そして、6曲目の「Let Me Entertain You」ですね。2020年12月25日の全日本SPでお披露目となったレミエンですが、24日のお昼頃には曲名しか発表されていなかったので、ロビー・ウィリアムズとクイーンの「どっち?」と話題になったんですよね。その時、私も両方を聴き比べて、「どっちでもいいんだけど!」というぐらい、こちらもロックしている良曲です。
その後に続く、7曲目の「Dead On Time」もイイ!彼らの3作目の『SHEER HEART ATTACK』に「Brighton Rock」という名曲があるんですが、そのテイストにかなり近い疾走感溢れるチューン。個人的には、QUEENにはあくまでも「ロックバンド」であってほしいので、こういう曲でビシっと締めてくれたのは嬉しい限り。
全体的に、各曲コンパクトにまとめられていて、全13曲・44分と当時の作品としては長めなんですが、まったくダレることなく最後まで聴けると思います。まぁ、昨日絶賛したJUDAS PRIESTは決して一般向けの音楽ではないですが、こっちは万人にオススメできる作品です。ぜひチェックしてみてください。
では、また明日!
Jun