ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。両者の対戦成績は、藤井王位から見て「4勝3敗」です。
並行して行われている棋聖戦は第三局まで進んで現在2勝1敗で藤井棋聖がリード。特に7月3日の第三局は「今年一番の藤井将棋」との呼び声も高く、佐々木七段の「右玉」という指し方に対して、藤井棋聖が45手目に指した▲9七桂という一手が、将棋の常識ではまず考えられないような構想でした。わずか13分で指したので、棋聖は明らかにこの手を知っていて、右玉に対する有効な対策と認識していたのでしょう。
その後、将棋の内容としては、「佐々木七段に攻めさせて、藤井棋聖が受け潰す」という展開となり、その決定打となったのは、藤井棋聖の指した73手目の▲8六玉。玉をあえて相手の飛車の真正面の「危険地帯」に移動させるという、これもまさに非常識な一手。でも、悪手ではなく、結局その後攻め手が無くなった佐々木七段が「ギブアップ」のような形で投了しました。
▲8六玉は事前研究では指せない一手で、この手を思いつくこと自体がまさに「天才の閃き」として、プロ棋士も、アマチュアの将棋ファンも驚愕させられましたね。この日は藤井棋聖の「受けの手」が神懸かっていて、まさに「ディフェンスマスター」というか、パンチも蹴りも何やっても当たらず的確に対応されていて、藤井聡太さんと言う人は、攻めの技術よりも受けの技術の方が他の棋士と比べて圧倒的に高いということを証明したんじゃないでしょうか。
藤井棋聖が防衛まであと1勝となった棋聖戦の第四局は7月18日で、実は、その間に王位戦が二局入っています。王位戦は二日制のタイトル戦で、「藤井さんは持ち時間が長ければ長いほど強い」という評価もあって、佐々木七段としてはこっちの方が厳しいんじゃないかと言われています。
第一局は振り駒で先手・後手が決まるので、佐々木七段が先手を引けば十分にチャンスはあるかと思います。とはいえ、カド番に追い込まれた棋聖戦第四局は「佐々木七段先手」ですから、棋聖戦用の先手番の必殺の作戦はここでは温存か?という考えもあるでしょう。
まぁ、先後が決まって、実際に対局が始まってからですね。熱戦を期待しています。
では、また明日!
Jun