『G.O.A.T』感想(その2)

『G.O.A.T』感想(その2)

前回レビューの感想は「こちら」。

この写真集の読み方として、「本編写真と巻末の撮影コメントとの往復運動が必要」と書きましたが、ひとまず、巻末関係なく本編の写真を一通り見るのがオススメです。その上で、今度は、「撮影コメント」を最初から読んでいく中で、適宜本編写真も確認するという方法が、スムーズに見られますね。ぜひ試してみてください。以下、印象的だった箇所をピックアップしてみます。

・19~21頁。「Vertigo」(2010年・MOI)。「今の機材でこの頃のプログラムを撮りたい」とコメントにありました。たしかに、ちょっと画質が粗く感じます。バックが漆黒だとこの頃のショットでもそこまで「粗さ」は感じないんですけど、氷上の白がバックだとそこは気になりますね。

・46~47頁「旧ロミジュリ」(2014年・ワールド・EX)。ソチから凱旋帰国後のたまアリワールドのEXでは「旧ロミジュリ」を滑っています。「これもお気に入り。エキシビションはジャッジ席の上からではなく、ショートサイドから照明を入れて撮るのが好きだ」とコメント。漆黒をバックに見開き2ぺージの美しい1枚。このショット以外にも、「撮影コメント」ではどの辺りの位置から撮影したという旨が適宜語られていて、とても興味深いです。

・158~159頁「If…」(2023年・FaOI幕張初日)。「FaOIは初日にぶっつけ本番で撮るので次の動きが読めない」とのコメント。たしかに、そうですよね・・・。おそらく、オフィシャルカメラマンでもリハーサルをバシバシ撮るような「予習」はできないんじゃないかと。他方で、「Origin」(114頁・18年ロステレ)のコメントには、「予習とカメラの性能アップのおかげでどうにかついていける」とあって、この辺りは、単に写真集を買って見ているだけの人間にはまったく想像できない苦労話だなと思いますね。

ちなみに、特にコロナ禍以降、「代表撮影」ルールにより、坂本さんが取材できなかった試合もありました。そのような試合については、本書は長瀬友哉カメラマンの写真を収録していて、しかも長瀬さんのコメントも掲載しているので、ぜひこちらも併せてチェックしてみてください。

では、また明日!

Jun


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