「惑星ハニューにようこそ!」の「最新記事」(12/13)がアップされました。我らがマッシさんが、イタリアのスポーツメディア「OA Sports」の対談企画で、
「羽生結弦は状況を覆せる」
と力強くコメントしています。気になった部分を拾ってみます。
まずネイサン・チェンは優勝に相応しかったし、結果は妥当だったが、獲得した得点には値しなかった。
・・・より多くの4回転ジャンプを跳ぶことが、自動的により高いPCSがもらえることになるはずがない。何よりも求められている要件を満たしていないジャンプ要素(及びその他のエレメント)に尺度を越した高い出来栄え点が与えられることはあり得ない。この点において現行の採点システムはもはや機能していない。
技術点と演技構成点の比重の偏りの問題だけではない。私はオリンピック後のGOEの変更によって状況は更に悪化したと思っている。
「フリーのリザルト」を見てみるとよく分かるんですが、特に目につく部分として、PCSのIN(音楽の解釈)が0.28も高く、ジャンプのミスの有無で音楽の解釈まで影響を受けるとは、まったくもって理解不能な話です。
また、フリーのTESで、ネイサンと羽生さんで29点差あるのに、羽生さんとエイモズが10点差というのも奇妙です。ちなみにエイモズのジャンプは、4T-3Tこそ成功していますが、単発の4Tは転倒とUR、3A-2T、3Aを成功。これだけです。ガンディさんが修正した「フリーの分析」を見ると、フリーのTESは、ネイサン(109.66)、羽生さん(101.82)、エイモズ(85.81)となっています。
私の意見では、現行ルールが正しく適用されないのは、プラス/マイナス対象となる各項目を参照しながら、プログラムの各エレメントをリアルタイムで正確に評価出来るジャッジが誰もいないからだと思う(異議がある者にはそれが誰であっても反論に応えよう)。しかもジャッジ達は演技構成点の5項目の評価も同時に行わなければならないことを忘れてはならない。私のこの主張はジャッジ達が能力不足だと言いたいわけではない。ただ単に現行のルールに則ったGOE採点を限られた短い時間で行うのは不可能なのだ。
先日発売された「Number 991」で、このフリーのテクニカルに座っていた岡部さんは、「・・・結果的に、現在の選手は非常に濃密なプログラムで演技をしています。選手の頑張りに応えられるよう、そして見ている方々にフィギュアスケートを楽しいと思っていただけるよう、ルール作りをしていくことが私たちの役割と考えています」と語っていました。この前代未聞の不正採点に加担した彼女は、いったいどう説明するのでしょうか?
ルールの信頼性が失われないために、得点を後から修正出来るような何か別の方法を考案するべきではないかと思う。当然のことながら、これらは全てジャッジに悪意がないことが前提となっているが、何人かのジャッジの行為を見た今、本当に悪意がなかったのか疑念が湧いてくる。出来るだけ早い是正措置が求められているが、このような義務を担う者には是正する能力があると信じている。
まぁ、J3のオーストリアジャッジがその最たるものですね。ぜひ、今回の記事の他の部分にも目を通していただきたいですが、マッシさんは、「二人がともにノーミスなら、羽生が勝つ。すべての項目において彼が一歩リードしているからだ」と断言してくれているので、心強いです。
それにしても、日本のジャーナリストからこういう批評がまったく上がらないのが情けない限りですが、唯一、次号のマガジンの対談にだけは期待しています。
マッシさんは、この対談がアップされた後、さらにポッドキャストで154分も語っているとのこと。翻訳をしてくださっているNympheaさんは大変だと思いますが、楽しみに待っています。
では、また明日!
Jun
コメント
マッシさんのこの主張に反論した人間はいたのでしょうか?私は出来ないと思います。
ネイサンとのPCSの差、特に羽生選手のTRやINの評価はどういう積もりなのか。対してエイモズとのTESが僅かであることも全く解せません。ジャッジには説明責任があると思います。複数カメラが財政上無理というなら、例えば野球もチャレンジ制度を導入したように、おかしいと思われる点を選手側から質すことが出来る制度を直ちに取り入れるべきです。一方的で説明不可能で無責任なジャッジは競技者を混乱させるだけですから。
また、今回私は、ショートの評価が勝負の流れを作ったと思います。13点近くも差がある演技ではなかった。1桁の差なら戦い方が違っていたでしょう。ただ、だから4Lzを入れたことを考えると、何が幸いするか分からないですね。今後に繋がるフリーだったと後になって言えるようになると信じています。
マガジンでは、特に記者座談会が楽しみです。公平な視点からの各記者の意見を期待しています。
ととちゃん さま
ジャッジが多いから、やりたい放題なんですよね。サッカーだったら、誤審したら世界中から叩かれますし(国によっては命の危険さえあります)、野球の主審もけっこう目立ちます。
しかし、日本のフィギュアスケート界の最大の疑問は、採点批判・ジャッジ批判がまったくのタブーになっていること。OB・OG、ライター、みんなダンマリです。こういうことをやっている内は、このスポーツの発展は無いですね。そもそも、羽生さんが引退したらどうなるのか?という危機感がまったく無いので、沈む泥舟化していますね。