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さすが渭水苑さん。松花堂弁当自体は、例えば真冬の棋王戦の金沢対局あたりでもよくオーダーされるんですが、こちらは抜群の豪華さで、対局者お二人ともに注文したのも分かる気がします。天ぷらもお造りも美味しそうだし、松茸も入っていて、それでいて肉料理もある。味噌汁が赤だしなのもいいですね。こりゃ、1万円オーバーですかね。私も名古屋に小2~大学入学前まで住んでいたので赤だし文化で育ったんですけど、名古屋を離れて東京に住んでいると、無性に赤だしが欲しくなることがあるんですよねー。
スウィーツの盛り付けもキレイで、渭水苑が王位戦の「定宿」として確固たる地位を確立しているのが改めてよく分かりました。そういえば、渭水苑が王位戦を初めて開催したのは1996年で、羽生善治九段が「七冠制覇」を達成した年だそうです。以来、羽生さんは17回も渭水苑で対局をしているんだとか。藤井聡太さんは今回で4度目の対局なので、この記録を塗り替えるのは最短でも14年後ということになります。
将棋の方は、佐々木七段が「横歩取り」という戦型に誘導して、藤井王位のドル箱戦法の「角換わり」を回避する形になりました。ただ、本局の横歩取りは、AIの推奨手順をゴリゴリに頭に詰め込んできたような将棋じゃなくて、じっくりとした持久戦調で、1日目からすでに双方「未知の将棋」という感じです。面白い将棋になりました。
形勢としては互角なんですけど、佐々木七段が49分考えて指した44手目の△4四金という手は、本来守備駒である金を攻撃参加させる積極的な一手。ある程度の成算が無いと指せない手です。これに対し、藤井王位が25分の考慮で指した▲4六歩は、その金に備えた一着。この手の意味は、金を繰り出した佐々木七段の攻めは通じませんよと、25分で王位が答えを出したことになるわけです。そこで佐々木七段が完全に固まります。結果、120分の大長考の末、46手目を封じました。
将棋の形勢は互角。持ち時間の差は藤井王位が1時間リード。ただ、それ以上に、佐々木七段が「予定変更」を余儀なくされて悩んでいたのだとしたら、精神的にも藤井王位が優位に立っているかもしれません。いずれにせよ、明日の対局再開が楽しみです。
では、また明日!
Jun