
ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。
振り駒で先手番は藤井聡太名人に。となると、藤井名人得意の角換わりを挑戦者の豊島将之九段が受けるかどうかという話になるんですが、やはりそれを「拒否」して、用意の作戦をぶつけてきました。
この将棋は、先月31日の▲高見泰地七段―△糸谷哲郎八段戦を踏襲していて、その前例では先手番の高見七段が勝利しました。後手が負けた将棋なんですが、そこに今回後手の豊島九段が誘導したということは、当然改良策を盛り込んでいる。藤井名人ももちろんこの将棋を承知していたようで、89分使って着手した21手目の▲4八金は、その前例を外れる一手。「豊島さんの敷いたレールには乗せられませんよ」という宣言ですね。
その後、スローペースで指し手が進み、持ち時間は藤井名人が約30分リード、形勢はほぼ互角の状態で1日目を終了しました。現代将棋では「後手番がやや不利」と目されているので、ほぼ互角で折り返せたのであれば、豊島さんの作戦選択はまずまず成功と見ていいでしょう。
ただ、藤井聡太さんが強いのはここからなんですよ。タイトル挑戦するようなトップオブトップの棋士たちがとっておきの作戦によってどんなに互角の形勢に持ち込めても、終盤で一気に引き離されるので、「八冠独占」という状況になっているのです。2日目の最終盤の局面で「読み負け」しないためには、豊島さんに頑張ってもらうしかない。挑戦者の踏ん張りに期待しています。
では、また明日!
Jun
