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テネル。76.60の1位。アメリカ女子のエースの地位を確立した感がありますが、スコアの出し方も、全日本やユーロ(ロシア選手権)を明らかに意識してますね。
内容的にはいつもの彼女という感じでしたが、今季の彼女は3Lzのセカンドにループをつけようとして失敗していたことが多かったので、セカンドトウにして完成度重視で滑りきったのは良かったと思います。崩れる印象の無い選手なので、フリーも揃えて、優勝は間違いないと思います。
アリサ・ルーさん。綴りは「LIU」ですが、現地のアナウンスでは「ルー」って聞こえますね。73.89の2位。まだ13歳です。夏のタイのアジアンオープンの映像でこの子の演技を見ましたが、すごく上手くなっています。
3Aは、正直回転はギリギリかなという感じはしますが、高さは十分。ただ、この子の才能は、3Aというより、ギチギチに詰め込まれたつなぎを見事にこなしつつ、スピンもポジション・回転速度ともにシニアでレベル4を取れるクオリティにあって、すでに完成度は相当高いですね。
小柄で細身の体型というのもありますが、全体的にそつなく完成されているので、「エテリのチームの秘蔵っ子です」と言われても不思議じゃない印象を受けます。この子は年齢的に北京五輪に間に合うわけですが、順調に成長したら、ロシアの子たちと同様に、日本女子にとって強力なライバルになりそうです。
ハンナ・ハレルさん。68.16の5位。初めて見る選手です。現在15歳。彼女のインスタには「田村花亜」と漢字で表記されているように、お母さんが日本の方のようですね。
たしかにお顔を見ると、アジア系の血が入っている女の子と分かりますが、スケートを見たら、完全に北米スタイルですね。表情もメイクも選曲もプログラムも何もかも、日本の15歳でこういう女子スケーターはまずいないですもんね。スピンやステップでぎこちなさはありますが、躍動感があって、スケートの楽しさを全身で表現しています。見る人を笑顔にするようなポジティブな演技のできる選手という印象です。ぜひ頑張ってもらいたいです。
スター・アンドリューズさん。58.66の8位。17歳。今季GPシリーズに初参戦で、スケアメ10位、スケカナ7位。オータム・クラシックも7位に入っています。アメリカ出身でスイス代表のパガニーニもおなじ17歳で、今季GPシリーズ初参加ですから、共通点を感じます。
今回、初めてまともに彼女の演技を見たんですが、パワー系かと思いきや、腕から指先にかけての柔らかな所作が美しいですね。スピンもポジションがキレイで上手です。ただ、ジャンプが低いのがもったいないというか、意外です。
冒頭の「煽りV」の中で9歳の頃の彼女の様子がチラっと流れていましたが、ヒップホップみたいのを氷上でやっていた彼女が、こういうしなやかな動きをするスケーターとして成長するのだから面白いですよね。ある意味で、ロボット風のテネルよりも、個人的にはこういうスケートの方が断然好きです。ジャンプが安定してくると、殻を破ってくれそうなポテンシャルを感じます。
明日は再びユーロの方に戻る予定です。
では、また明日!
Jun
コメント
ハンナとスターは初めて知りました。若いのに二人とも「踊れる」素敵なスケーターですね。
アリッサの明るさと愛らしさは、真央ちゃんがピンクの衣装でくるみ割りを踊っていた頃を思い出しますね。3Aを二本降りたFSの実況が「ロシアと日本よ、覚えておけ、米国にはアリッサがいるぞ!」と煽ってましたが、第二次性徴が終わらないうちの3Aはあてにならなくないですか。コレオが音楽に追いついていない箇所が多く、まだノービス寄りのジュニアというか、滑走スピードも出てないので、現時点ではテネルやマライヤの方が数段上かなぁと。
顔立ちから100%中国人ではなさそうなので、調べてみたら(半分アングロサクソンだと脂肪のつき方が違うので)Wikipediaにこんな記述が。中国出身の父親が卵子提供を受けて、代理母の腹から誕生しているそうで、他の5兄弟(!)もそうなんだとか。いや、本人は全く全く悪くないのですが、人工的に選別された遺伝子がフィギュア界も席巻するのかと思うと空恐ろしいし、その公開事実が衝撃的過ぎて、演技内容がふっとんでしまいました。
Fakefurさま
アリサちゃんの出自については、アジアンオープンの時に私もネットで調べまして、「うわ・・・」と感じたものです。もちろん、彼女自身に否はまったくないというのは、同意見です。
見る人が見たら、アリサの3Aは回転がはっきり足りてないんですが、この実況はプロレスの中継かなにかと勘違いしてるんですかね。
ただ、テネルに対する「冷遇」は、なんだか日本のメディアの「宇野離れ」に近いものを感じます。もちろん、二人のスケーターに共通点なんて無いんですけど、新しいものに節操がないという点で、どこの国も一緒なのかな?と呆れていますよ。
友は、この時期に仕事で渡米しているので、タイミングが合えば観戦しています。試合そのものより、ワイン片手にリラックスするのが好きらしい。
今回も天井席では、ゆったり映画鑑賞気分だったみたい。試合前の演出もアメリカらしい。
ユーロの満席と違い、空席が目立つ状況。米フィギュア界の「バイアスジャッジ」に拍車がかかるのも分からないでもない…とか。
女子より男子が顕著。確かにネイサンもブラウンも動きは良かった。しかし、出入りの工夫もないジャンプに満点に近いGOE、PCSも47や48、ヴィセントくんまで43とはね。
全日本での宇野くんの発言?「イーグルなんか付けなくていい」は現状では正論かも。
エンタメとしてほろ酔いで観るのが全米だ、とメールくれました。
ごろ寝さま
ご友人のお話、ありがとうございます。そりゃ、現地でみると、印象は大きく変わってくることでしょう。
まぁ、全日本でのあの方々も、今回の全米の男子も、これらの選手を後押しするジャッジも含めて、「ズルしてもいいと思っている連中」は「醜い」の一言です。
観戦者がフィギュアスケートに何を求めるかは自由ですし、私も他人の考えにアレコレ言うつもりはありません。
ただ、私がフィギュアスケーターに求めるものは、クオリティを追求しながら、勝ちも追求する、職人気質でありながら勝負師でもある究極のアスリートです。
ラクしていいと思っている人のスケートは見たくないですね。
アジアンでリウちゃんをみた時にアメリカ女子も凄い選手が出て来たとは思いましたが、まさかいきなりここまで上達してくるとは思いませんでした。ナショナルが怖かったのかな?泣いて可愛かったですね?全体的にバランスがいいしこれからどうなっていくのか楽しみです。私は、初めてみたお母さんが日本人というハンナさんでとても15歳に見えない表現と雰囲気ですね。曲調も面白いしジャンプが素晴らしいですし何回も観てしまいました。アメリカは休養している選手もいますが次が控えていてロシアだけ強敵とは言えなくなりそうですな?。
senninさま
アリサちゃんは、良い意味で、アメリカ(北米)っぽくないですよね。
プログラムの作り方もそうだし、ピタっと固定されるスピンのポジションを見ていると、ロシアっ子と言われても納得してしまいます。
一方で、ハンナちゃんは、逆に、良い意味で、アメリカ的。荒削りではあるんだけど、見ていて元気をもらえるスケートです。この方向性で、技術的に磨かれていけば、あまりいないタイプの選手になるんじゃないかな?と期待しています。
アリサちゃん、演技を終えて泣き顔がなんとも可愛いですね。コーチも釣られて?泣いていて、ほのぼのします。3Aはあまりに助走が長く感じましたが、全米初出場とのこと、慎重に跳んだのでしょうね。
ハレルさんの実況はもしかしてジョニーでしょうか。表情豊かではあるけど、身体の動きが表情に追いついてないような指摘がありましたね。また15歳、これからですね。
テネルの動画が見られなかったので、どこかで探してみます。実は頭がまだユーロ男子で
追いついていない現状です(笑)。ちょっとバラけて開催してくれたらな、と思います。
ととちゃん さま
アリサちゃんの3Aについては、助走が長いだけでなく、回転も全然足りなくて、紀平さんの3Aと一緒になんてできないですね。
あれだったら、吉田陽菜ちゃんの方がはるかにちゃんと回りきってるはずで、まぁ、来季JGPでぶつかるでしょうから、どうジャッジされるか見てみましょう。
フリーの話になっちゃいますけど、アメリカが「女子のスター」を求めているのだとしたら、「テネルはスターではないの?」とちょっと気の毒です。彼女のプログラムを作ったリショーさんもガッカリなんじゃないかな・・・。詳しくは、またフリーのレビューで触れることにします。