「フィギュアスケート・マガジン 2019-2020 Vol.5 全日本選手権 特集号」(3)

「フィギュアスケート・マガジン 2019-2020 Vol.5 全日本選手権 特集号」(3)

これまでの2回のレビューはこちらで(1)(2)。ようやく、「完全収録」と毛受亮介カメラマンのコラムもすべて読みきりました。

まず、どうでもいい話から。「スポーツ紙などの記者はタクシーに相乗りして羽田空港に向かう」(12月18日 開会式&SPドロー)という部分。

開会式の前にも公式練習の時間は設けられていて、この練習から羽生さんは参加するのか、あるいは開会式に合わせてギリギリの帰国なのか、記者たちも事前情報をキャッチしていなかったようですね。15時頃まで代々木体育館の会場で待って、そこから羽田に移動。原宿近辺はタクシーは捕まりやすそうで、「相乗り」する必要はなさそうな気もしますが、各社ギリギリの人数でやって取材しているから「相乗り」が可能ということかもしれません。

さて、「完全収録」をすべて読み終えて、特にフリー直後の羽生さんの「悔しさ」を活字で読んでみると、記者たちもこれまでに見たことのないような状況だったことが分かりました。たしかに、普通だったら取材拒否で、そのまま奥に引っ込みたくなると思います。ただ、羽生さんもその悔しさを言葉で発していく中で、だんだんと平静を取り戻していったのかな・・・という気がします。

「フリーでよかった点と悪かった点は?」と聞かれて、「良かった点はないです。悪いところしかないです。全部挙げますか?30分くらいしゃべりますよ?」と、苛立ちを爆発させた後、最後は4CCに向けての構成の話に頭を切り替えている。きっと、このマガジンを羽生さんも読むと思うので、このやりとりも「収録」されたことは大きい。すべて経験ですよね。

私の場合、言いたいことを我慢して溜め込んで悶々としていると、頭の中で怒りが増幅して、心が濁ってきて、気持ちを前向きに切り替えられないので、身体も動かないのです。「毒を吐く」というのは、自分を守るためにも必要だなって思います。

最近私は、「つらいことがあったら、羽生結弦をみろ!」と自分に言い聞かせることがあります。彼ほど理不尽で不当な扱いを受けている人はいない。自分なんてまだぜんぜん恵まれているじゃないかと。

ただ、それは我慢して溜め込むことを自分に強いるのではなく、「自分なりの困難の乗り越え方(忘れ方)を、自分の中にストックしておけ」と、そんな発想になってきました。羽生結弦というスケーターを見ることで、たくさんのヒントをもらえています。

ところが、世の中の多くの人は、五輪連覇、国民栄誉賞、好感度ランキング等々、羽生さんの華やかな面しか知らない。先日、とあるフィギュアスケートについて詳しくない人と全日本の話題になったら、「宇野くんも同じ数の試合に出て連戦してたんじゃないの?」という認識でした。稔先生が、情報番組で「3連戦の過酷さ」について力説していたのも、きっとテレビ関係者の認識もそんなもんだったからだと思うんですよね。

話がとっちらかりましたが、全日本の「完全収録」を読んだ印象はそんな所です。「あのOriginを思い出すのは嫌だから、読むのはつらい・・・」という方もいらっしゃると思うので、しばらく「寝かせて」おけばいいでしょう。きっと笑って振り返られる日が来るはずです。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. マリィ より:

    こんにちは
    全日本のインタのあんなに動揺している羽生くんは初めて見たような。
    あれをよく切り替えられたなと思います。
    あのフリーの演技はあれから一度も見てないです。

    お仕事のトラブルはもう解決しましたか?
    男の人は思う事を溜め込む人が多いのではないかと感じます。
    外に出せたら軽くなるのにって思いますが、なかなかそう出来ないんでしょうね?
    何かに書くだけでも違うって聞いた事があります。
    そうですよね。羽生くんはよく試練を耐えています。
    涙が出そうですよね。
    支えてくれる人がお母様をはじめたくさんいらっしゃるんでしょう。
    私も私の支えなくてはいけない人がいますし。
    羽生結弦を見ろ!って私も言いたいです。
    自戒を込めて。
    男でなくても羽生くんを見ると頑張らねばって思います。

    ところでロッテネット通販、注文殺到でサーバーダウン?涙
    繋がらないです。

    • Jun より:

      マリィさま

      ご心配いただき恐縮です。羽生さんについて皆さまと様々な意見交換をすることが、よい気晴らしになっております。

      ロッテオンラインは今日も大変だったそうですね。私は早々に「残り1種」は諦めましたが、サーバー増強等、早急に状況が改善されることを期待したいです。

  2. ととちゃん より:

    >全部挙げますか?30分くらい喋りますよ の
    ところは、生声では聞いていないです。多分映像はあるんでしょうが、探す気持ちもなく…。マガジンが時系列で全収録してくれている有り難さを、今回更に感じました。読んでいくと気持ちの変遷がよく分かりますね。

    私の印象ではメダリスト会見を終え、代表会見でのやり取りで、ようやくいつも通りの羽生選手に戻ったように思えました。そして、そこに至るまでに、宇野選手への称賛や激励を頻繁に(というか、過剰に)口にすることで気持ちを整理していったようにも感じたのです。

    勿論実際の気持ちは分かりませんが、junさんが仰るように活字になった自分の発言を読み返す作業はきっと実行しているに違いなく、
    この経験もしっかりとバネにすることと思います。

    余談ですが、以前、テニスの大坂さんが敗戦後の記者会見を拒否した時、ふと羽生選手なら何を言われていただろうと思ったものでした。(拒否しない性格であることは ひとまず置いておいて)、拒否など許されない立ち位置にいる、多分想像を絶する重責を担った人なのだと思います。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      その発言の所は、肉声というか映像はおそらく無いと思いますね。

      おっしゃる通り、活字で読むと「過剰」「頻繁」という印象を私も受けました。ベストの演技からは程遠い内容でしたから、その意味では悔しさすら起きない。だから、本心はともかく、明るく振る舞って勝者を称えたのだと思います。あくまでも私の想像です。

      取材拒否をしたら、それこそ記者たちも困りますし、だって、記者たちが持参したレコーダーを机に並べる人ですよ。取材に応えることまでが「自分の仕事」と心に決めているのでしょう。彼こそ、真のプロフェッショナルだなと改めて思います。