羽生結弦さんの時のように全紙買うということはなかったですが、報知とスポニチのみ購入しました。一面と裏一面ぶち抜きの大特集でした。
さすがに八冠達成の偉業なので、朝、昼、午後とガッツリ地上波で取り上げてくれていましたが、なんというか、テレビの人たちって、結局将棋のルールを覚えてくれないので、面白いコメントが無いんですよね。
ビックリしたのは、ゴゴスマに山口真由さんが出てたんですけど、「将棋は難しくて・・・」と言っていて、あなたみたいな大秀才なら1日でルール覚えてすぐに指せるでしょ?と不思議に思うんですけど、こういう賢い人でも興味のないことを覚えるのって大変なんですね。無理強いってよくないなと思いました。同業(?)のひるおびの八代弁護士は将棋指せるみたいですが。
昨日は私も興奮して、「永瀬王座の痛恨のミス!」と本局の逆転劇を総括してしまったんですけど、AIで棋譜解析をしているソフト班の方々の書き込みを見ると、藤井竜王・名人は「永瀬さんが間違えるような罠」を何重にも張っていたようです。AIが推奨する最善手には、「人間的に間違いやすい手」という価値判断は組み込まれていません。AIが示す手というのは、相手もAIであるという想定、つまり「お互いが絶対にミスをしない」という前提のもとで、最も有望な手をはじき出しているわけです。
藤井聡太さんという人は、自宅でひとりで研究する際にはAIの手を貪欲に取り入れて、それを公式戦でも指して、将棋をどんどん進化させています。ただ、形勢が悪くなった場合、あるいは逆に、勝ち目前で絶対に逆転されたくない場合は、「AIモードから人間モードに脳内を切り替えている」というか、「人間的に勝ちやすい手」「人間的に間違いそうな手」というものを捻り出しているように見えます。当然、AI的には「悪手」「疑問手」ということで、評価値の数値は下がりますが、勝ちにつなげているんですね。
藤井将棋の面白さって、こういう所にあるような気がします。ただ、昨日もお話した通り、ぜんぜん楽勝で八冠達成したわけじゃなくて、対戦相手の作戦もどんどん洗練されてきて、綱渡り・薄氷の勝利が増えているのも事実です。でも、このまま藤井さんの一人勝ちではエンタメとしては面白くないので、ライバルの登場が望まれます。まずは、いま竜王戦を戦っている伊藤匠七段の奮起を期待しています。
では、また明日!
Jun