糸井重里さんとの対談<第9回>「ややこしいものとキャッチ―なもの」感想

糸井重里さんとの対談<第9回>「ややこしいものとキャッチ―なもの」感想

対談の第9回は「こちら」。ここまでの8回分の感想はこちらで<第1回><第2回><第3回><第4回><第5回><第6回><第7回><第8回>。

糸井「・・・谷川俊太郎さんがおっしゃってたんだけど、「ぼくが書いた詩のなかで、みんなが一番よく知ってるのは『鉄腕アトム』だと思う」と。で、あんなにたくさんのすばらしい詩を書きながら、アニメの主題歌の歌詞が一番知られているということに対して、「それはすごくいいことだと思う」っておっしゃったんですよ。それは、ちょっとかっこいいなあと思って

これは良い話を聞きました。糸井さん、ありがとうございます!かっこいいと同時に、粋だなぁ!というか、成熟した大人だなぁ!というか。

自分もこのブログをやっていて、わりとやっつけ気味に書いた記事がやたらアクセスが多かったり、Xでも記事アップの告知をするんですが、「なぜ今回、RPといいねがこんなについてるの?」ってことがあります。逆に、「今回気合い入れて書いたのに、あまり読まれてないのかなぁ・・・」ということもあります。

で、前のライブドアブログから通算するとこの5月で8年目になるんですけど、「自分にとって手ごたえがあるかどうか関係なく、継続して形にして出す」ことの大切さを、ブログ生活から学んだ気がします。いまの仕事にも確実に生きていますね。面白いかつまらないかの評価は、読み手・受け手に判断してもらうことですから。

とはいえ、「これは自信作だよ!」と言いたくなる気持ちも分かる部分はあって、羽生さんも「出してみたら、あれ?ってなるときがあるんですよ(笑)」と、珍しく本音を吐露していますね。たぶん羽生さん本人が具体的にその辺りを語ることは絶対に無いはずで、それは「好き嫌いの押し付け」になっちゃうんですよね。逆に、これが例えば、「この振付にはこういう意味がある」といった真意を説明することでファンの誤解を解くことが、結果的に「解釈の押し付け」になることは良いと思うんですよ。間違ったまま理解されるのは、表現者としては見過ごせないはずなので。

そこで改めて、谷川俊太郎さんの「それはすごくいいことだと思う」という発言は、やっぱりすごいですよ。アトムの歌詞が知られているからと言って、それが自身にとっての「最高傑作」とは言ってない。でも、「そうではない」とも言ってない。多くの方に知ってもらえたことへの感謝の気持ちだけが、「すごくいいことだと思う」というサラっとした一言で表現されている。

継続的に形にして出す。知ってもらえることに感謝する。好きになってもらえた気持ちはより一層大切にする。だから、自分から「あれは傑作」「あれはそうでもない」とは言わない。だって、「そうでもない」ものを好きになってくれた人を傷つけることになってしまうじゃないですか。

でもまぁ、理想ではあるけど、このようなスタンスを堅持するのは、相当に自己抑制できる人じゃないと至難の業でしょう。理想ですねぇ・・・。こうありたいものですが。

では、また明日!

Jun


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